待ちに待っていた「健康で文化的な最低限度の生活」3巻が発売されたので、早速購入して読みました。
連載が遅れていたようで、本来より3巻の発売が遅れていたようです。
生活保護についての漫画なのですが、生活保護に詳しくないひとも読めて、学びながら読める作品となっています。
健康で文化的な最低限度の生活
新人ケースワーカーが生活保護に向き合う!
福祉事務所に配属された新人公務員・義経えみるは、
ケースワーカーという、【生活保護】に関わる仕事に就くことに。
そこでえみるは、生活に困窮している人々を支援することの難しさに直面。
悩みながらも、「ちゃんと人の相談に乗れる人間になりたい」と感じ、日々奮闘している。
2巻のおさらい
2巻では生活保護世帯の長男である高校生の欣也くんがアルバイトをしたにもかかわらず、収入を福祉事務所に報告していなかったことがわかりました。
本来、生活保護を受けている世帯は収入を得た場合、福祉事務所に報告しなければならない。
生活に必要な最低限の金額を支給しているからだ。
収入があれば報告が必要である。報告をしなければ不正受給となってしまう。
しかし、高校生の欣也くんはそのことを知らず、バイト代を自分の趣味につぎ込んでいた。
福祉事務所にアルバイト代の返金を求められた欣也くんは、アルバイト代で購入したギターとCDを壊し怒りをあらわにする。
欣也くんの家庭は、ただでさえギリギリの生活のうえに今後は切り詰めてアルバイトの収入を返金していかなければならなくなる。
と、ここまでが2巻の流れです。
欣也くんとどう関係を築いていくのか
自分で働いて得たお金を福祉事務所に返さなければならない、という高校生には理解しがたい生活保護の制度。
欣也くんがそれを受け入れるには難しいことだと思う。しかし、ルールはルールなので守らなければならない。
欣也くんの担当ワーカー義経えみるは、きちんと高校生でもわかるよう生活保護の制度を説明し、不条理さを感じている欣也くんとの関係を築いていこう考えています。
不用意な対応をしてしまっては、今後の欣也くんの人生にも影響が出てしまう。
どんな対応を見せて関係を築いていくのか、というところが見どころとなっています。
「扶養照会編」スタート
3巻では、扶養照会編が始まります。
現代では、人と人とのつながりの薄さが話題にもなっていて、親子間や兄弟間で関係が良くない場合も多い。
なにかと人との関わりが減った社会と言われてますね。孤独死などもありますし。ご近所関係とか。
おそらく扶養照会編は、つながりの薄さがテーマのひとつになっています。
生活保護を受けるのには絶対ではないが、親族がいるときはそちらからの援助を優先してもらうことになっている。
しかし、親族の生活状況にもよる。親族がギリギリの暮らしをしているときなど金銭的に援助できない場合がある。
その場合は生活保護を受けることができるが、とりあえずは生活保護の申請があれば親族に援助ができるか確認するようだ。
だけど、生活保護を申請する本人と親族が必ずほど関係が良好なわけではない。
親族は援助すると言っていても本人はその親族となんらかの理由で関係を絶ちたい場合がある。
今回の扶養照会編は、そのような父と子の話になっています。
まとめ
生活保護を受けている人と聞くと、怠けだとか働きたくないからだという意見が出てくることがありますが、必ずしもそうではないと思います。
なかにはそういう方もいるかもしれませんが。
生活保護を受けている人は実際にどんな人なの?と疑問を持つひとには良い漫画です。
おそらく取材やインタビューして書いているので。
生活保護に興味がない方でも社会問題など気になる方にはオススメです。
今回も早く続きが読みたいと思わせる作品でした。
4巻は2016年秋頃に発売予定です。