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「健康で文化的な最低限度の生活」2巻を読みました。
発売してからすぐ購入したので、読んだのはだいぶ前なのですがいまごろ感想を書いていきます。
一時、話題になった漫画なので知っている方もいるのではないでしょうか。
福祉事務所に配属された新人ワーカーが悩み、苦しみながらも成長していくストーリー。
タイトルの「健康で文化的な最低限度の生活」は、憲法25条に規定されています。
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
普段あまり見ることのない、生活保護受給者の現状や生活保護の仕組みについて学べる漫画にもなっています。
生活保護に向き合うケースワーカー奮闘劇!
福祉事務所でケースワーカーとして
働きはじめた新人公務員の義経えみる。
生活に困窮している人々を支援することの難しさに悩みながらも、
日々、[生活]の最前線で奮闘している。
2巻では、就労意欲が強く無理をしすぎるシングルマザー、岩佐さんへの就労支援のはなしから始まります。
ちなみに1巻の感想はこちら。そんなに内容には触れてませんが。
岩佐さんの支援を担当するのは、義経えみると同期の七条竜一。
就労に強い意欲を持っていた岩佐さんだったが、七条の上司が岩佐さんの精神的な不安定さに気付きます。
上司に言われ、七条は岩佐さんに精神科を受診するよう指示をします。
すると、岩佐さんはうつ病と診断を受けました。
一方、主人公の義経えみるは多重債務を抱える阿久沢さんの支援に苦戦していました。
義経は阿久沢さんに法テラスに行くように促すも阿久沢さんは無言。
なかなか支援が進まない状況です。
そんななか、先輩ケースワーカーの半田さんがフォローにはいります。
そして、「不正受給」編がスタート
簡単に内容を書いてきます。
4人家族の日下部さん。
認知症のおじいさんとパートで働くさとみさんと子どもが2人。
子どもは高校生と中学生。
シングルマザーで親の介護をしながら働いて家事までするさとみさんは大変な様子が伺えます。
最近は反抗的だった高校生の息子が落ち着き、中学生の娘も手伝いをしてくれるみたいで落ちついて生活できているようです。
ある日、義経は上司から日下部さんの世帯に申告してない収入があると指摘されます。
生活保護受給者は、申告せずに黙って収入を得ている場合、不正受給になってしまいます。
日下部さんの息子、欣也くんが収入申告せずにアルバイトをしていました。
日下部さんの家に訪問に行き、事実を確認しに行く義経。
母のさとみさんは息子がアルバイトしているとは知りませんでした。
息子の欣也が帰宅し、義経は本人に話を聞きます。
義経は、生活保護を受けている家庭は収入を申告しなければいけないことを説明。
収入を申告してない場合は、不正受給となりバイト代を役所に返してもらうことになると2人に告げます。
感想
読んでいて胸が痛くなるような話でした。やるせなくなります。
生活保護を受けている家庭なので、支給された保護費はもちろん生活のために優先的に使われます。
高校生だったらやりたいこともあるし、遊びたい時期。
でも、おこづかいはおそらく微々たるものでしょう。
なので、自分でお金を稼ごうとアルバイトをしてそのお金を趣味に使った。
しかし、生活保護受給者はそれがダメ。
稼いだ収入を申告しなければ不正受給となる。
今回は、そのことを欣也くんが知らなかったので稼いだ金額を全額徴収することになった。
欣也くんからしたら、自分が稼いだ金で自分の欲しいものを買ってどうしていけないんだ、と納得がいっていない様子。
ぼくが高校生ならこのことを受け入れることはできないですね。
自分でバイトしてそのお金を自由に使うのがなんでいけないのか。
「生活保護を受けてるひとはダメなの。」と言われても納得できない。
とても不条理さを感じる。
いまの自分ならその不条理さを納得しそうな気がします。
法律に書いてあるからそうなんだって。
契約する前に契約書きちんと読んでない自分が悪いんだと思います。
でも、高校生の頃なら納得いかないでしょう。
グレますね。それか泣いてる。
案の定、欣也くんもキレてしまい家を飛び出します。
以前より良くなってきた家庭がこの件によって、よくない雰囲気に。
義経えみる自身もモヤモヤしています。
ぼくもモヤモヤしますね。
終わりに
早く続きを読みたいのですが、「健康で文化的な最低限度の生活」3巻の発売日が調べても出てこないんですよね。
2巻の最後のページには、2015年秋に3巻が発売予定みたいですけど。
そろそろ発売してほしいです。
追記
発売日に関してブックマークでコメントをいただきました。
しばらく休んでて、この間連載再開したばかりだから刊行スケジュールがズレたのかな。
Amazonで確認したところ、「健康で文化的な最低限度の生活」3巻の発売日が記載されていました。2016年1月29日となっています。
3巻を読みました。